内視鏡はやっちゃダメ!?臨床工学技士の役割を理解!表記によってはかなり危ない病院も!!

2022-06-22

2021年7月9日、臨床工学技士法に関する政省令等が公布され様々な医療職に対し法改正がありました。
それにより今までは法律上で認められていないのですが、おこなっている業務が多くありました。

グレーゾーンと呼ばれていることが多く、知らないまま従事している方や知っているがやらなければならないと感じ従事している医療スタッフが多くいました。

今回の改正では、各医療職が”医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフティングに関するヒアリング”を何度も医師会が学会などを巻き込んで法的に可能な業務にするために動いていて結果がようやく出たということです。

この法改正には医師の負担軽減という名目はありますが、業務拡大のために手を出してしまっている業務の合法化や、地位の底上げが裏のテーマとしてあるということは働いている方々は感じていることであります。

業務拡大となった業種

・臨床検査技師

・臨床工学技士

・診療放射線技師

・救命救急士

各職種では業務が拡大となるということは国家資格の要項にも影響するため、教育カリキュラムに組み込まれていないということになります。

したがって、現在国家資格を有している方と、現在養成校で勉学に励んでいる学生には新たに認められた領域の教育が必要となるのです。

臨床工学技士が認められていた業務

臨床工学技士が法的に認められていた業務には様々なものがあります。

以前簡単にまとめた記事がありますのでこちらをどうぞ。

日本臨床工学技士会でも業務としては簡単に紹介しています。

認められるようになる業務

今回認められるようになった業務はこちらです。

生命維持管理装置を用いた治療において当該治療に関連する医療用の装置(生命維持管理装置を除く) の操作 (当該医療用の装置の先端部の身体への接続又は身体からの除去を含む)

  1. ①手術室又は集中治療室で生命維持管理装置を用いて行う治療における静脈路への輸液ポンプ又はシリンジポンプの接続、薬剤を投与するための当該輸液ポンプ又は当該シリンジポンプの操作並びに当該薬剤の投与が終了した後の抜針及び止血(輸液ポンプ又はシリンジポンプを静脈路に接続するために静脈路を確保する行為についても、「静脈路への輸液ポンプ又はシリンジポンプの接続」に含まれる。)
  2. ②生命維持管理装置を用いて行う心臓又は血管に係るカテーテル治療における身体に電気的刺激を負荷するための装置の操作
  3. ③手術室で生命維持管理装置を用いて行う鏡視下手術における体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラの保持及び手術野に対する視野を確保するための当該内視鏡用ビデオカメラの操作

血液浄化装置の穿刺針その他の先端部の表在化された動脈若しくは表在静脈への接続又は表在化された動脈若しくは表在静脈からの除去
  ※従来の業務範囲であった「シャントへの接続又はシャントからの除去」に追加

透析や手術室の業務って良かったんじゃないの?って思う方もいるかもしれませんが、手技によってやることは様々ですし、細かいところは手を出せなかったりと不便なところが多かったんです。

細かくはさらにあるのですがここでは省略させていただきます。

個人的には手術のところでは
1.①のところは認められた意味がわかりませんし需要が果たしてあったのか疑問なところです。
2.②はやっていたところが多かったと思うので追加されて良かったです。
3.③に関してはこれから始めるというところが多いのではないかと思いますが、新しい仕事という風に捉えています。
透析のところは完全にやっていました。

内視鏡はやってはいけない…?

内視鏡検査イメージ
内視鏡検査イメージ

さてここから本題に入ります。
内視鏡に臨床工学技士が関わって良いのか。というところです。

この業務拡大のために告示研修というものが始まる前に説明会が何回かあったんですよね…。

その際に
「消化器部門の内視鏡に関わっている職員が多く、準備などだけでなく(医師の)介助に付き、検体採取の鉗子の操作や治療の操作をしているがどうなるのか」
という質問をした方がいらっしゃいました。

回答は
「我々は生命維持管理装置の保守及び操作が認められている職種であり、消化器のそれは生命維持管理装置にあてはまりません。元々認められた医療行為ではありませんし、今回の事案にも入っておりませんので認められていない業務になります。」
というものでした。

ここで私は初めて内視鏡という業務が”やってはダメ”な業務だったのだと気付かされました。
今回の法改正では”外科部門の内視鏡カメラの保持”が認められた業務であり、消化器の内視鏡検査では検査であるのでこちらには該当しないとされたそうです。

臨床検査技師は今回認められる業務に消化器の内視鏡検査での検体採取などが入っており、そこも差別化される大きなポイントになります。
業務の領域の差別化がおこなわれたと言っても良いです。

この後私は日本臨床工学技士会に2回問い合わせを行いました。
1回目では認められなかった理由や本当にやってはダメなのかという質問をしました。
回答は以下です。

『今回の法改正で、「手術室で生命維持管理装置を用いて行う鏡視下手術における体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラの保持及び手術野に対する視野を確保するための当該内視鏡用ビデオカメラの操作」が新たに追加された業務となりました。

臨床工学技士業務は「生命維持管理装置」を使用する場面において、その業務の実施が可能となっておりますが、ご提示いただきました内容は、恐らく、生命維持管理装置を使用していない場面であることが想定されます。

また、「生検鉗子操作」は検体採取を目的とした検査業務となることから、検査技師には認められ、臨床工学技士には認められていない業務となります。』

はい、ダメと。しかし、技士会として大きな声で言わないし周知もされないんですよね。
不思議に思っていました。
私の施設でも今まで関わっていたので離れることができないまま苦しい状態が続いています。
また他施設でもそれを知らないまま業務に入っている方も多いようでした。

このような現状が間違っていると思ったため、もう一度問い合わせをしました。
なぜダメならダメだと言わないのかという文面も添えて…。

するとメールでも返答ではなく直接電話がかかってきました。
文面に残して証拠を残すと少し問題となる可能性がある件なので電話でお話させてくださいと。

簡単に説明すると限りなく黒に近いグレー。はっきりと違法行為であると言われました。

技士会から公表できない理由

電話連絡になった理由はこれです。
法律上では間違いなく違法になったんです。これは間違いありません。
しかし、今回認められるまで、臨床工学技士という資格が産まれてから初めての法改正なのです。
昭和63年です。1988年に誕生してから2021年にようやく法改正が行われたのです。
その間に業務拡大のために危険を冒して様々な業務に関わって、23年経って認められる分野が増えたと。

内視鏡の分野も広げたいのです。ただ、広げるには現場で必要性を示すことが重要です。
そしてすでに誇りを持って関わっている方々がいるのです。
そのためにも、続けていくことが重要だと。

しかしですよ。これだけの年数がかかって、検査技師には認められて臨床工学技士には認められなかった。
答えは出てますよね…?
そして新たに加えられる場合って何十年後よって思いませんか?

違法行為を続けた場合

STOP!!!
STOP!!!

明確に違法行為となってしまった、しかし続けて欲しい…。

じゃあもし事故になった場合どうなるんですか。
私は聞きました。裁判に発展した場合や国家資格がどうなるか。

間違いなく裁判には敗けるし、場合によっては国家資格は剥奪されます。

やばくないですか。笑
笑いしかおきません。

技士会としてはやってはいけないとしか回答できない。
ただ、施設が施設の意思で続けるのであれば、ルールを決めて対応して欲しいと。
その場にいないことにするか、その行為自体には関わっていないとするかです。

厳密に言うと我々が違法になる場面というのが検体採取であれば、生検鉗子がスコープの先に出た瞬間からなんです。
身体の中にそういったものが出た瞬間から我々の業務範囲から外れてしまうため違法性が出てしまうと。
そういうことなんですよね。

…ならちゃんと言った方がよくない!!?
って思うのですが…。

なので本当に危ない施設があって、ホームページに書いてしまっているんですよね。
当院では内視鏡検査では臨床工学技士が関わり生検やポリペクなどの治療にも関わりますって…。

該当する施設があったら今すぐに更新していただきたいと思います。

関わっても大丈夫な業務は、洗浄や準備まで。
検査や処置中はなるべく中には入らない。これがベストでしょう。
有事の際もこのように現場スタッフと病院側で口裏を合わせることが必要です。

責任者の方々へ…

これを知った場合、責任者の方や病院経営者などはどう感じるでしょうか…。

今までやってたから良いじゃん。医療界ではよくあること。他の施設もやっているし。

そう思いました?

それって少年犯罪の感覚とかと一緒ですからね???

未成年でタバコ吸う、酒飲む、ドラッグやる…。
一緒ですよね?今までやってた、周りはやってる…。

まあまだ医療職じゃん。だから大丈夫。そういう方もいるかもしれません。

あなたは今日から大型トラックで運送してください。
運転免許は持っていますよね。

普通免許があるからトラックを運転する。スピード違反や交通事故を起こしたら…大きなニュースになりますよね。無免許運転です。

言い換えましょう。
ちょっと医者いないんだよね、この手術いつも入ってるし詳しいよね。ちょっとメス持ってよ。麻酔かけてよ。
医療職種の国家資格は持っていますよね。

全く同じことを言っていますよ。よく考えてください。
あなたはできますか?
事故が起きて大ニュースになってからでは遅いです。これも無免許。

あとがき

ということでかなり危険な記事。
でも大切なことを書いてしまいました。

患者も守らないといけないけど自身も守らなくてはダメです。

私は内視鏡業務に関わることを辞めました。
万が一なにかあって国家資格を失うわけにはいかないからです。

普通…?一般社会から見たら普通じゃないですよ!
間違っていること、危険なことを認めてはいけません。

発展には必要なリスクかもしれませんがどう考えるのが正解でしょうか…。